ファイルサーバーの種類は何がある?オンプレミスとクラウドを解説

ファイルサーバーの種類は何がある?オンプレミスとクラウドを解説

ファイルサーバーにはいくつか種類がありますが、大きく分けると「オンプレミス」「クラウドストレージ」タイプに分けることができます。両者にはどのような違いがあるでしょうか。この記事ではこれら2つのファイルサーバーの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

1.ファイルサーバーの代表的な2種類:オンプレミスとクラウドストレージ

ファイルサーバーの代表的な2種類:オンプレミスとクラウドストレージ

ファイルサーバーは大きく分けると「オンプレミス」と「クラウドストレージ」に大別できます。

オンプレミスは英語で「on-premises」と書きますが、プレミスは構内とか店内という意味です。オンプレミスではファイルサーバーを使う会社が自社内に必要な設備を設置して運用するので、「自社運用」タイプと呼ばれることもあります。

一方クラウドストレージとは自社内に必要なサーバーを置くのではなく、ネットワーク上にあるサーバーを使ってファイル管理を行うことを意味します。ですから簡単に言えばオンプレミスとは自社内にあるファイルサーバーで、クラウドストレージは自社施設外にあるファイルサーバーという事ができるでしょう。

現在はクラウドが人気

クラウドストレージはクラウドサービスの一つですが、クラウドサービスは比較的最近になって登場してきたサービスで、以前はオンプレミスタイプが一般的でした。しかし2010年代半ば以降にクラウドサービスが充実してくるのに伴ってオンプレミスからクラウド型に少しずつ移行する動きが出ています。

クラウドサービスはサーバーやシステムを自社内には置かないため手軽にインフラ環境を整えることができます。一方オンプレミスでは多くのコストをかけて複雑なシステムを自社内に構えます。今はどこの会社もコストカットを非常に重視していますよね。このような背景からオンプレミスからクラウドに移行する動きが加速しました。

とはいえ、全面的にクラウドタイプにする会社は実はそれほど多くなく、オンプレミスとクラウドの両方を使ったハイブリッドシステムを使っている企業もあります。またクラウドに移行した後にオンプレミスの優位性を感じて再びオンプレミス体制に戻るという企業もあります。ですから、現行のシステムを変えるかどうかを決める時は事前に2つのタイプの良し悪しをよく比較する必要があります。

2.オンプレミスとクラウドストレージのメリット・デメリット

オンプレミスとクラウドストレージのメリット・デメリット

オンプレミスのファイルサーバーにするかクラウドストレージのファイルサーバーにするかは会社によって方針が異なるでしょう。費用の問題もありますしファイルサーバーに求める条件も違うので、各会社が両者のメリット・デメリットを比較してどちらにするかを慎重に決める必要があります。

それぞれのタイプのファイルサーバーを、コストやセキュリティや拡張性などの観点から比較してみましょう。

オンプレミスとクラウドのファイルサーバーを項目別に比較

オンプレミスとクラウドを以下の6つのポイントで比較しました。

・費用
オンプレミスとクラウドとを比べるとオンプレミスの方が高額になります。オンプレミスは先述のように自社内にサーバーやネットワーク機器を導入する必要があります。また、運用のためのソフトウェアのライセンス費用もかかります。そのため、そのコストに見合う運用予定があるかどうかを考える必要があります。

一方、クラウドストレージは初期費用がかからないのが普通です。大掛かりなサーバーシステムを導入するわけではないので非常に低コストで導入できます。維持費に関しても使う分だけプラン契約をして支払うので低コストです。中小企業などオンプレミスサーバー導入への壁が高いケースではクラウドが約に立ちます。

・セキュリティ面
セキュリティ面ではオンプレミスに軍配があがります。オンプレミスでは自社内にネットワークシステムを築くので、ほかのシステムからは閉ざされた状態で運用できます。自社で常にアップデートしなければいけませんがセキュリティレベルの変更を好きなように変えられます。金融機関や官公庁などはオンプレミスタイプのサーバーを使うのが一般的です。

一方、クラウドシステムは常に一定以上のセキュリティが保証されていて自動でアップデートされるという利点がありますが、オンプレミスよりはセキュリティが劣るのでセキュリティが最重要と言う場合はオンプレミスが優位です。

とはいえ、クラウドが苦手とされてきたセキュリティにおいても最近は信頼性の高いサービスが出てきているので、今後セキュリティ面だけを重視してオンプレミスタイプを選択するのはあまり意味をなさなくなる可能性があります。

・インフラ導入時間
すべての機器を調達するのに時間がかかるのがオンプレミスのデメリットです。一方、クラウド型だとアカウントを登録すればすぐにでも運用開始できます。

・拡張性(カスタマイズ性)
自社でシステムを構築するオンプレミスタイプではカスタマイズ性が抜群です。会社の好きな仕様に変更できるので効率も良くなります。クラウドタイプも自由度が高いものはありますが、オンプレミスよりは拡張性が劣ります。

・トラブルへの対応
トラブルが起きた時に強いのはクラウドサービスです。クラウドサービスを提供している事業者が復旧作業に当たるので、何もしなくても復旧状況を見届けるだけでOKです。一方、オンプレミスの場合はシステム部門などが対応できるならまだしも、システムエンジニアなどが常駐しなければ復旧に手間取る可能性があります。

・アクセス速度
オンプレミスでは社内の有線ネットワークでファイルへのアクセスを行います。そのため回線速度や質が安定していてスムーズなファイル管理ができます。一方、クラウドの場合はインターネット環境を使うため、オンプレミスほど回線の安定性がありません。回線の品質によっては速度がさほど出ない恐れもあります。

オンプレミスとクラウドはどっちが良い?

オンプレミスからクラウドにサービスを移行する会社がある一方で、クラウドからオンプレミスにシステムを戻す会社もあります。つまりどちらのタイプがより優れているかは一概には言えません。会社によって重視するポイントが異なりますしコストの問題もあるので、最終的には会社のスタンスによってどっちがベターかが分かれます。

コスト重視ならクラウド、セキュリティや拡張性重視なら現時点ではオンプレミス、トラブル対応ならクラウドといったように、紹介した双方のメリット・デメリットをよく比較する必要があります。

3 .まとめ

ファイルサーバーは主にオンプレミスとクラウドストレージの2つのタイプに分けることができます。それぞれにメリット・デメリットがあるのでどちらをファイルサーバーとして使うかはよく検討しなければいけません。もしどちらにも魅力やメリットを感じる場合は、あえてどちらかに限定せずに両方を同時に使うハイブリッドのファイルサーバーを構築するのも良いでしょう。

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